日々をありがとう
みーさん
稚拙な文章ではあるかと思いますが、手放す子とのことを綴らせていただきます、
今回お別れすることにしたフィギュア2点は、私の初めての子たちでした。
まずはfigmaの初音ミク。
こちらはフィギュアにはまりたての頃に、レーシングミクというものを知りました。そして2013年のデザインのレーシングミクかっこいい!SFと美少女がいい感じにスタイリッシュ!欲しい!と思いました。良いものに出会った事実だけには笑顔になったとしても、時は2015年。もちろん新品を入手することはできず、中古でも売りに出されておらず、無知な己と過ぎた時間を後悔することしかできませんでした。
過ぎたものは仕方なくないが、まあきっと良いデザインがあるかもしれないし……とそれから新しいレーシングミクの衣装が発表される度にチェックし、2013年レーシングミクの影を追い続けておりまた。
ぼーんやりと中古ショップを眺めて2、3年ほど経った頃だったと思います。なんと中古ショップの棚にレーシングミクの2013年バージョンがあるではありませんか!
やった!嬉しい!と思いましたが、当時私はプライズのフィギュアをぽつぽつ買った程度で、可動式のフィギュアは買ったことがありませんでした。その時の金銭感覚ではかなり高価なものに感じ、一旦撤退しました。
よくよく考え、やっぱり欲しい!お前何ぼんやりと亡霊しとるんじゃ!今だぞ!と奮起して中古ショップにダッシュし、購入しました。
初めてのfigma、そしてレーシングミク2013の天才的なデザイン……PCの前に飾り、ポーズを変えてニコニコし、可動域ってどこまでなの……?と壊してしまうことに怯えながらポーズ調整をする日々を過ごしました。
他の子が多くなって通年出すことは難しくなりましたが、毎年夏が近くなると出して、PC横に飾り、「やっぱポーズつけられないけど最高に可愛いぜ」と褒め称えながらほぼ棒立ちスタイルに戻していました。
次に宝石の国のアンタークチサイト。
こちらはある程度フィギュアを購入し、社会人1年目に買ったフィギュアでした。
いわゆるブラック企業に入社してしまった私は、日中はほぼ毎日怒鳴られ、クタクタで帰ってオタク趣味は何もできず、また明日も怒鳴られるためにベッドに入るだけの日々を過ごしていました。
そんな中に、アンタークの発売が決まり、狂喜乱舞しました。
元々宝石の国という作品が好きで、しかも原型師様がずーっと「欲しいな……欲しいな……」と思い続けていた方だったので買う一択でした。
その時に初めて予約でスケールフィギュアを購入しました。(残業代もまともに出なかった会社ですので、どれほどの残業代とイコールになるのか分かりませんでした)
クレカ決済でフィギュアを購入したのが、なんだか安定した収入を得ている大人にしかできないようなことに感じて、購入ボタンを押してから少しにやけていた記憶があります。
予約をしてからずっと、アンタークが家に来るまで、日中あらゆることが起きても「でもアンタークがうちに来るからさあ……!」のメンタルで生き抜いておりました。
そしてようやく迎えた発送日。発送完了メールが来た時にガッツポーズをしましたし、玄関でめちゃくちゃソワソワしながら宅配の方を待ちました。
アンタークは本当に見事な出来で、どのアングルからでも素晴らしく、毎日15度ほど角度を変更しながら楽しむ、字面にすると変な人のような楽しみ方でニコニコさせていただきました。
職場で大変なこともありましたが、帰って部屋のアンタークを眺め「でもアンタークまじで美しいな」としみじみ呟いてやり過ごしていました。
結局その職場を離れることとなりましたが、今でもアンタークを眺めると、職場の辛さよりもアンタークを手に入れた時の嬉しさと、あの美しさに支えてもらったことを思い出します。(そしてあの頃、鉱物に癖を見出だしたことも思い出します)
ここまで書いて、私は本当に手放しても良いのか……?という疑いの気持ちが出ております。ですが、新しい道を踏み出すため、そしてこの子たちをより大事にし、愛してくれる方へ渡すために、お別れをしようと思います。
最近、昔ほどコンテンツを追えなくなってしまい、あの頃よりもパッションを持ってオタクをしているのか、そもそもオタクの風上にも置けない、一般人くずれなのでは……?と己のことを思っていました。
ですが手放そうとしている子たちにもきちんと愛情も持っていたこと、フィギュアというものを愛していたことを思い出すことができました。忙しい日々や人生のタスクで覆われていただけで、まだオタクの一人であったことを確かめることができました。
新しく出迎えた子に対しても、後ろめたさのような気持ちを覚えていたのですが、これからは自分なりに、自分のペースで新しい子も愛でていこうと思います。
どうか、今回手放す子たちが新しい場所でも大事に愛されることを願って、送り出そうと思います。
あまりうまく文章に出来なかったかもしれません。このように語る機会を設けていただき、ありがとうございました。
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