この商品の詳細
- 出版社
- 人文書院
- 出版社シリーズ
- ISBN
- 4409530535
- サイズ
- 単行本
- 発売年月日
- 2025年11月01日
この商品の紹介
古来には民間信仰の神として褒美や罰を与えていた「サンタクロース」は、どのようにして現在の姿へと変貌を遂げ、クリスマスのシンボルとして日本に定着したのか。知られざる大衆文化の歴史!
魔女や鬼の姿をした「サンタクロース」こと古来の来訪神と、アメリカ生まれの赤い衣服のアメリカン・サンタクロースとを比較して見ていくと、その性質が大きく異なることがわかる。古来より存在する来訪神は褒美を与えもするが、前述のとおり過激な罰も与えるものも多い。もしくは、褒美を与える来訪神と罰を与える来訪神が対になって現れるケースもある。こうした二面性を古来の来訪神には見ることができるのだが、アメリカン・サンタクロースは子ども達に夢を与えても罰を与えることはしない。アメリカン・サンタクロースには、従来の来訪神に見られるような二面性がないのである。では、古来の来訪神が有していた二面性には、どういう意味合いがあったのだろうか。単に子どものしつけのためと言い切るには、あまりにも儀式化されているのではないだろうか。
(「序章」より)
◎目次
第Ⅰ部 古来の来訪神と罰
第1章 クリスマス以前の祭りと土着の神々
第2章 グリム童話におけるよい子・悪い子像と異人との交流
第3章 古来の来訪神が与える罰
第Ⅱ部 近代におけるサンタクロースの創造と受容
第4章 アメリカン・サンタクロースの誕生と表象
第5章 世界に広がるアメリカン・サンタクロース
第Ⅲ部 日本におけるクリスマスとサンタクロース
第6章 クリスマスの様相とサンタクロースの受容
第7章 大衆文化としてのクリスマスとサンタクロース
第8章 輸入文化の定着とその背景
サンタクロースの文化史/単行本