この商品の詳細
- 出版社
- アルテスパブリッシング
- 出版社シリーズ
- ISBN
- 4865593204
- サイズ
- 単行本
- 発売年月日
- 2025年08月01日
この商品の紹介
歌え、人造のミューズよ。
科学技術と芸術のはざまに消えた
「音楽の錬金術師たち」の系譜をたどる
もうひとつの音楽史。
歯車は奏で、幻想は踊る。
いざ、音楽と機巧(からくり)の迷宮へ!
ラッパが響きわたる人工洞窟、
海と怪物のスペクタクル、
即興演奏を記録する機械、
虹色を奏でるクラヴサン、
フルートを吹く自動人形、
天使の楽器アルモニカ、
香りをふりまくオルガン……
命なき楽士たちがつづる500年の音楽史。
「音楽は人の手が楽器を鳴らして演奏するもの、人が声を発して歌うものだ。そういう常識の片隅でわたしたちは、機械じたいが鳴らす音楽に心惹かれずにはいられない」
──「前口上 機械が歌をうたうとき」より
「人を驚かせたいという願望が自動人形や自動演奏機械、早変わりする舞台装置を生み出した。アルモニカの音色、ファンタスマゴリーの誘惑、色と音と香りの共鳴、そこには人間の認識にたいする科学の夢がある。あるいは、消えてしまう即興演奏を書きとめようとする試み、これはレコーディング、そして現代の打ち込み式の楽譜入力で可能になった。しかし、その思想・願望は18世紀には生まれ、それほど現代とは異ならないかたちで提案されていた。ただその当時の技術が追いついていなかっただけである」
──「あとがき」より
『月刊アルテス』好評連載、待望の書籍化!
機械仕掛けの音楽誌/単行本