この商品の詳細
- メーカー
- キングレコード株式会社
- 規格番号
- KICG5091
- DISK枚数・サイズ
- 1枚
- 発売年月日
- 2021年04月07日
曲目
- Disk-1
- 1. 目出度さもちう位なりおらが春|元日の人通りとはなりにけり|手毬唄かなしきことをうつくしく|去年今年貫く棒の如きもの
- 2. 姥桜咲くや老後の思ひ出で|曙や白魚白きこと一寸|春なれや名もなき山の薄霞|山路来てなにやらゆかしすみれ草
- 3. 辛崎の松は花より朧にて|よく見れば薺花咲く垣根かな|古池や蛙飛び込む水の音|花の雲鐘は上野か浅草か
- 4. 何の木の花とは知らず匂ひかな|春の夜や籠り人ゆかし堂の隅|ほろほろと山吹ちるか滝の音|草臥れて宿借るころや藤の花
- 5. 行く春や鳥啼き魚の目は涙|草の戸も住み替わる代ぞ雛の家|木のもとに汁も鱠も桜かな|四方より花吹き入れて鳰の波
- 6. 行く春を近江の人とをしみける|山里は万歳遅し梅の花|衰ひや歯に食ひあてし海苔の砂|梅が香にのつと日の出る山路かな
- 7. 古庭に鶯啼きぬ日もすがら|春の海終日のたりのたりかな|行く春や撰者を恨む歌の主|高麗船のよらで過ぎ行く霞かな
- 8. 菜の花や月は東に日は西に|行く春や重たき琵琶の抱き心|梅遠近南すべく北すべく|鶯の啼くや小さき口あいて
- 9. 春もややあなうぐひすよむかし声|淋しさに花咲きぬめり山桜|妹が垣根三味線草の花咲きぬ|畑打つやうごかぬ雲もなくなりぬ
- 10. 公達に狐化けたり宵の春|しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり|春雨やものがたりゆく蓑と傘
- 11. 三文が霞見にけり遠眼鏡|かすむ日や夕山かげの飴の笛|夕燕我には翌のあてはなき|春雨や喰はれ残りの鴨が鳴く
- 12. 雪とけて村一ぱいの子どもかな|痩蛙まけるな一茶是に有り|雀の子そこのけそこのけ御馬が通る|我と来て遊べや親のない雀
- 13. 生きかはり死にかはりして打つ田かな|春風や闘志いだきて丘に立つ|高々と蝶こゆる谷の深さかな|赤い椿白い椿と落ちにけり
- 14. 外にも出よ触るゝばかりに春の月|バスを待ち大路の春をうたがはず|菫ほどな小さき人に生まれたし
- 15. 目には青葉山ほととぎす初鰹|蛸壺やはかなき夢を夏の月|あらたふと青葉若葉の日の光|風流の初めや奥の田植歌
- 16. 夏草や兵どもが夢の跡|五月雨の降り残してや光堂|閑かさや岩にしみ入る蝉の声|五月雨を集めて早し最上川
- 17. 暑き日を海に入れたり最上川|象潟や雨に西施がねぶの花|頓て死ぬけしきは見えず蝉の声|京にても京なつかしやほととぎす
- 18. 憂き我をさびしがらせよ閑古鳥|ほととぎす声横たふや水の上|麦の穂を便りにつかむ別れかな|五月雨の空吹き落せ大井川
- 19. 六月や峰に雲置く嵐山|清滝や波にちり込む青松葉|秋ちかき心の寄るや四畳半
- 20. 郭公なくや雲雀と十文字|市中は物のにほひや夏の月|水桶にうなづきあふや瓜茄子|夏河を越すうれしさよ手に草履(夏)
- 21. 鮎くれてよらで過ぎ行く夜半の門|不二ひとつ埋みのこして若葉かな|牡丹散て打かさなりぬ二三片
- 22. 山蟻のあからさまなり白牡丹|鮒ずしや彦根の城に雲かかる|さみだれや大河を前に家二軒
- 23. 夏山や一足づつに海見ゆる|古郷やよるもさはるも茨の花|人来たら蛙となれよ冷やし瓜
- 24. 涼風の曲りくねつて来たりけり|麦秋や子を負ひながらいわし売|蝉なくやつくづく赤い風車
- 25. 蟻の道雲の峰よりつづきけん|やれ打つな蝿が手を摺り足をする|やけ土のほかりほかりや蚤さわぐ
- 26. 五月雨や上野の山も見飽きたり|糸瓜咲て痰のつまりし仏かな|金亀子擲つ闇の深さかな|虹立ちて忽ち君の在る如し
- 27. こんこんと水は流れて花菖蒲|谺して山ほととぎすほしいまゝ|分け入っても分け入っても青い山
- 28. 滝落ちて群青世界とどろけり|夏の河赤き鉄鎖のはし浸る|万緑の中や吾子の歯生え初むる
- 29. 枯枝に烏のとまりたるや秋の暮|芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな|野ざらしを心に風のしむ身かな|道のべの木槿は馬に食はれけり
- 30. 秋風や藪も畠も不破の関|名月や池をめぐりて夜もすがら|荒海や佐渡に横たふ天の河|一つ家に遊女も寝たり萩と月
- 31. 塚も動けわが泣く声は秋の風|あかあかと日はつれなくも秋の風|石山の石より白し秋の風|蛤のふたみに別れ行く秋ぞ
- 32. 病雁の夜寒に落ちて旅寝かな|物いへば唇寒し秋の風|三井寺の門たたかばやけふの月|白露もこぼさぬ萩のうねりかな
- 33. ひやひやと壁をふまへて昼寝かな|菊の香や奈良には古き仏たち|この道や行く人なしに秋の暮|この秋は何で年寄る雲に鳥
- 34. 白菊の目にたてて見る塵もなし|秋深き隣は何をする人ぞ|朝顔に釣瓶とられて貰ひ水
- 35. 夕露や伏見の相撲ちりぢりに|稲妻や浪もてゆへる秋津島|鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな
- 36. 物焚て花火に遠きかかり舟|山は暮れて野は黄昏の薄かな|月今宵あるじの翁舞ひ出でよ
- 37. 田の雁や里の人数はけふもへる|有明や浅間の霧が膳をはふ|秋風に歩行て逃げる蛍かな
- 38. 露の世は露の世ながらさりながら|秋風やむしりたがりし赤い花|ちる芒寒くなるのが目にみゆる
- 39. 赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり|行く我にとどまる汝に秋二つ|柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺|行く秋の鐘つき料を取りに来る
- 40. つり鐘の蔕のところが渋かりき|ある僧の月も待たずに帰りけり|鶏頭の十四五本もありぬべし|をととひの糸瓜の水も取らざりき
- 41. 痩馬のあはれ機嫌や秋高し|桐一葉日当りながら落ちにけり|大空に又わき出でし小鳥かな
- 42. 芋の露連山影を正しうす|たましひのたとへば秋の螢かな|をりとりてはらりとおもきすすきかな|くろがねの秋の風鈴鳴りにけり
- 43. 啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々|つきぬけて天上の紺曼珠沙華|とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな
- 44. 金剛の露ひとつぶや石の上|有る程の菊抛げ入れよ棺の中|こほろぎの夜鳴いて朝鳴いて昼鳴ける
- 45. 雪の朝ニの字ニの字の下駄のあと|海暮れて鴨の声ほのかに白し|旅人とわが名呼ばれん初時雨|鷹一つ見付けてうれしいらご崎
- 46. いざさらば雪見にころぶ所まで|から鮭も空也の痩も寒の内|住みつかぬ旅のこころや置き火燵|金屏の松の古さよ冬籠り
- 47. 旅に病んで夢は枯野をかけめぐる|初しぐれ猿も小蓑をほしげなり|梅一輪一輪ほどの暖かさ|蒲団着て寝たる姿や東山
- 48. 楠の根を静かにぬらすしぐれかな|宿かさぬ燈影や雪の家つゞき|桃源の路地の細さよ冬ごもり|斧入レて香におどろくや冬木立
- 49. 狐火の燃えつくばかり枯尾花|冬鶯むかし王維が垣根かな|雪折れも聞こえてくらき夜なるかな
- 50. 楢の葉の朝からちるや豆腐槽|是がまあつひの栖か雪五尺|むまさうな雪がふうはりふはりかな|大根引き大根で道を教へけり
- 51. ひいき目に見てさへ寒し影法師|次の間の灯で膳につく寒さかな|椋鳥と人に呼ばるる寒さかな|雪ちるやおどけも言へぬ信濃空
- 52. しぐるるや蒟蒻冷えて臍の上|小夜時雨上野を虚子の来つつあらん|いくたびも雪の深さを尋ねけり|冬蜂の死にどころなく歩きけり
- 53. 遠山に日の当りたる枯野かな|流れ行く大根の葉の早さかな|襟巻の狐の顔は別に在り|天地の間にほろと時雨かな|一塊の冬の朝日の山家かな
- 54. 足袋つぐやノラともならず教師妻|海に出て木枯帰るところなし|降る雪や明治は遠くなりにけり
- 55. こがらしや海に夕日を吹き落とす|竹馬やいろはにほへとちりぢりに|木がらしや目刺にのこる海のいろ
朗読名作シリーズ 心にしみいる名俳句
990
円(税込)