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戦後西側諸国の憲法の共通基準であったリベラル・デモクラシーが、「ネオリベラル」と「イリベラル」の挟撃を受けて、いま、世界的な危機に直面している。トランプ現象、EU離脱をめぐるイギリスの混迷、日本の改憲論議などを前にして、私たちは座標軸をどこに求めたらよいか。戦後知識人たちの言説を手がかりにして考える。
目次 :1 リベラル・デモクラシーの展開、そしてその現在―一九四五‐一九八九‐二〇一九(前提:「リベラル」の論理と「デモクラシー」の論理―「リベラル」の制度化としての「立憲」;ポスト一九四五憲法基準としてのリベラル・デモクラシー―“リベラル”デモクラシーとリベラル“デモクラシー”;国境を越える「ネオリベラル」化の中の「イリベラル」―非西欧世界からの拡散;「イリベラル」+「ネオリベラル」vs.「リベラル」);2 戦後民主主義をどう引き継ぐか―遺産の正と負(前提:日高社会学がいま持つ意味;日高『国策転換に関する所見』(一九四五・七)から「戦後」へ;一九六〇年代:高度成長と「民主主義」―順接続と逆接続;一九七〇年代以降:「経済大国」の盛衰と憲法);3 「近代化モデル」としての日本―何が、どんな意味で(前提:あらためて「四つの八九年」;「西洋化ぬきの近代化」vs.雑種としての憲法文化―一八八九年憲法と「和魂洋才」論;二〇一二自由民主党「憲法改正草案」―脱近代憲法としてのモデル性;法改正、とりわけ憲法改正の作法と没作法)
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