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お揃いの真っ赤なブレザーと白のスラックスで行進をする日本選手団の姿は、一九六四年の東京オリンピックの象徴的場面の一つとして、世代を超え、今でも、広く知られている。この「日の丸カラー」の開会式用ユニフォームは誰がどのような思いを込めてデザインしたものだったろうか?本書では、書き変えられ、忘れ去られてきたこのユニフォーム誕生の歴史を豊富な史料と取材に基づいて紐解いてゆく。さらに、日本の開会式用ユニフォームのその後の変遷にも光をあて、「日の丸カラー」の継承、迷走、回帰の詳細を多面的に掘り下げていく。二〇二〇年に迫った二回目の東京オリンピックを見据えながら。
目次 :前史―戦前の開会式用ユニフォーム;第1部 1964東京五輪の選手団公式服装(「日の丸カラー」の選手団公式服装が誕生するまで;俗説の検証(1)―「石津デザイン説」の妥当性;俗説の検証(2)―「石津デザイン説」の拡散;対談(1)歴史を明らかにするということ×角田奈歩(服飾史・商業史研究者));第2部 「日の丸カラー」の継承、迷走、そして回帰(「ナショナルカラー」の開会式用ユニフォームの系譜;レインボーカラーのマントとは何だったのか?―シドニーオリンピックの開会式用ユニフォーム;デザイナーの個性は必要か?―高田賢三が手がけたアテネオリンピックの開会式用ユニフォーム;スポーツ用品メーカーによる開会式用ユニフォーム;「日の丸カラー」への回帰;対談(2)開会式用ユニフォームのあり方を考える×蘆田裕史(批評家))
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