この商品の詳細
- メーカー
- キングレコード
- 規格番号
- KICG5012
- DISK枚数・サイズ
- 1枚
- 発売年月日
- 2003年06月25日
曲目
- Disk-1
- 1. 緋縅の鎧をつけて太刀はきてみばやとぞ思ふ山桜花|父君よ今朝はいかにと手をつきて問ふ子を見れば死なれざりけり|霜やけのちひさき手して蜜柑むくわが子しのばゆ風のさむきに
- 2. 牛飼が歌よむ時に世のなかの新しき歌大いにおこる|牀のうへ水こえたれば夜もすがら屋根の裏べにこほろぎの鳴く|暫くを三間うち抜きて夜ごと夜ごと児等が遊ぶに家湧きかへる
- 3. 天地の四方の寄合を垣にせる九十九里の浜に玉拾ひ居り|さびしさの極みに堪へて天地に寄する命をつくづくと思ふ|おり立ちて今朝の寒さを驚きぬ露しとしとと柿の落葉深く
- 4. 高山も低山もなき地の果ては見る目の前に天し垂れたり|今朝のあさの露ひやびやと秋草や総べて幽けき寂滅の光|おくつきの幼なみ魂を慰めんよすがと植うるけいとぎの花
- 5. 古への聖々のことはあれど死といふことは思い堪えずも|禍の池はうづめて無しと云えど浮藻みだれ目を去らずあり|汝をなげくもの外になしいきの限り汝を恋ひまもる此の父と母と
- 6. 闇ながら夜はふけにつつ水の上にたすけ呼ぶこゑ牛叫ぶこゑ|霜月の冬とふ此のごろ只曇り今日もくもれり思ふこと多し
- 7. くれなゐのニ尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる|瓶にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり|いちはつの花咲きいでゝ我目には今年ばかりの春行かんとす
- 8. 夕顔の棚つくらんと思へども秋待ちがてぬ我いのちかも|寝しづまる里のともしび皆消えて天の川白し竹薮のうへに|真砂なす数なき星の其中に吾に向ひて光る星あり
- 9. 佐保神の別れかなしも来ん春にふたたび逢はんわれならなくに|柿の実のあまきもありぬ柿の実のしぶきもありぬしぶきぞうまき|木のもとに臥せる仏をうちかこみ象蛇どもの泣き居るところ
- 10. 松の葉の葉毎に結ぶ白露の置きてはこぼれこぼれては置く|若松の芽だちの緑長き日を夕かたまけて熱いでにけり|赤羽根のつつみに生ふるつくづくしのびにけらしも摘む人なしに
- 11. 幼きは幼きどちのものがたり葡萄のかげに月かたぶきぬ|ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲
- 12. 野に生ふる草にも物を言はせばや涙もあらむ歌もあるらむ|秋かぜに驢馬なく声もさびしきを夕は雨となりにけるかな|あめつちに一人の才とおもひしは浅かりけるよ君に逢はぬ時
- 13. みづからの静かなる死を夢に見て覚めて思ひぬ然かぞ死なまし|京の紅は君にふさはず我が噛みし小指の血をばいざ口にせよ|われ男の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子
- 14. 韓山に秋かぜ立つや太刀なでてわれ思ふこと無きにしもあらず|韓にしていかでか死なむわれ死なばをのこの歌ぞまた廃れなむ
- 15. 白き花摘みつつゆけば夕ぐれのこの湖ぞひに母ますらむか|あけがたのそぞろありきにうぐひすのはつ音ききたり藪かげの道
- 16. 夕焼空焦げきはまれる下にして氷らんとする湖の静けさ|信濃路はいつ春にならん夕づく日入りてしまらく黄なる空のいろ|みづうみの氷は解けてなほ寒し三日月の影波にうつろふ
- 17. 雪降れば山よりくだる小鳥おほし障子のそとに日ねもす聞ゆ|高槻のこずゑにありて頬白のさへづる春となりにけるかも
- 18. 二つゐて郭公どりの啼く聞けば谺のごとしかはるがはるに|隣室に書よむ子らの声きけば心に沁みて生きたかりけり
- 19. つばくらめ飛ぶかと見れば消え去りて空あをあをとはるかなるかな|鉦鳴らし信濃の国を行き行かばありしながらの母見るらむか|いささかの残る学徒と老いし師と書に眼を凝らし戦に触れず
- 20. 桜花ひとときに散るありさまを見てゐるごときおもひといはむ|湧きいづる泉の水の盛りあがりくづるとすれやなほ盛りあがる
- 21. その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな|清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき|やは肌のあつき血潮にふれも見でさびしからずや道を説く君
- 22. 海恋し潮の遠鳴りかぞへては少女となりし父母の家|金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に|夏のかぜ山よりきたり三百の牧の若馬耳ふかれけり
- 23. はてもなく菜の花つづく宵月夜母がうまれし国美しき|夜の帳にささめき尽きし星の今を下界の人の鬢のほつれよ|人の世に君帰らずば堪へがたしかかる日すでに三十五日
- 24. 春みじかし何に不滅の命ぞとちからある乳を手にさぐらせぬ|髪五尺ときなば水にやはらかき少女ごころを秘めて放たじ
- 25. ゆあみして泉を出でしやははだにふるるはつらき人の世のきぬ|うすものの二尺のたもとすべりおちて蛍ながるる夜風の青き
- 26. 馬追虫の髭のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし|垂乳根の母が釣りたる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども|鬼灯を口にふくみて鳴らすごと蛙はなくも夏の浅夜を
- 27. 此のごろは浅蜊浅蜊と呼ぶ声もすずしく朝の嗽ひせりけり|白埴の瓶こそよけれ霧ながら朝はつめたき水くみにけり|白銀の鍼打つごとききりぎりす幾夜はへなば涼しかるらむ
- 28. 歌人の竹の里人おとなへばやまひの床に絵をかきてあり|おしなべて木草に露を置かむとぞ夜空は近く相迫り見ゆ|ゆくりなく拗切りてみつる蚕豆の青臭くして懐かしきかも
- 29. 日に干せば日向臭しと母のいひし衾はうれし軟らかにして|春雨にぬれてとどけば見すまじき手紙の糊もはげて居にけり|小夜ふけてあいろもわかず悶ゆれば明日は疲れてまた眠るらむ
- 30. おほてらのまろきはしらのつきかげをつちにふみつつものをこそおもへ|じやうるりのなをなつかしみみゆきふるはるのやまべをひとりゆくなり
- 31. はつなつのかぜとなりぬとみほとけはをゆびのうれにほのしらすらし|立山が後立山に影うつす夕日の時の大きしづかさ
- 32. みちのくの母のいのちを一目見ん一目みんとぞただにいそげる|死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる|のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり
- 33. わが母を焼かねばならぬ火を持てり天つ空には見るものもなし|あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり|最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも
- 34. ひた走るわが道暗ししんしんと堪へかねたるわが道くらし|朝あけて船より鳴れる太笛のこだまはながし竝みよろふ山|かへりこし家にあかつきのちやぶ台に火焔の香する沢庵を食む
- 35. 向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ|木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな|ともしびをかかげてみもる人々の瞳はそそげわが死に顔に
- 36. 春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕|ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫ひそめし日|病める児はハモニカを吹き夜に入りぬもろこし畑の黄なる月の出
- 37. 君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ|照る月の冷さだかなるあかり戸に眼は凝らしつつ盲ひてゆくなり|石崖に子ども七人腰かけて河豚を釣り居り夕焼小焼
- 38. どくだみの花のにほひを思ふとき青みて迫る君がまなざし|草わかば色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝て削るなり|寂しさに秋成が書読みさして庭に出でたり白菊の花
- 39. この山はたださうさうと音すなり松には松の風椎には椎の風|碓氷嶺の南おもてとなりにけりくだりつつ思ふ春のふかきを|廃れたる園に踏み入りたんぽぽの白きを踏めば春たけにける
- 40. 脛立ててこほろぎあゆむ畳には砂糖のこなも灯に光り沁む|我が飛翔しきりにかなし女子の小峡の水浴夏は見にけり|冬雑木こずゑほそきに照りいでて鏡の如く月坐せりとふ
- 41. 白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ|雲ふたつ合はむとしてはまた遠く分れて消えぬ春の青ぞら|けふもまたこころの鉦をうち鳴しうち鳴しつつあくがれて行く
- 42. 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ|ちちいぴいぴいとわれの真うへに来て啼ける落葉が枝の鳥よなほ啼け|うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花
- 43. 幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく|山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君|山かげの日ざしかげれば谷川のひびきも澄みて河鹿なくなり
- 44. ともすれば君口無しになりたまふ海な眺めそ海にとられむ|ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り
- 45. 牡丹花は咲き定まりて静かなり花の占めたる位置のたしかさ|曼珠沙華一むら燃えて秋陽つよしそこ過ぎてゐるしづかなる径|街をゆき子供の傍を通る時蜜柑の香せり冬がまた来る
- 46. 東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる|頬につたふなみだのごはず一握の砂を示しし人を忘れず|砂山の砂に腹這い初恋のいたみを遠くおもひ出づる日
- 47. いのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指のあひだより落つ|はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢつと手を見る|友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ
- 48. 教室の窓より遁げてただ一人かの城址に寝に行きしかな|小来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心|新しき明日の来るを信ずといふ自分の言葉に嘘はなけれど
- 49. たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず|ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく|かにかくに渋民村は恋しかりおもひでの山おもひでの川
- 50. 石をもて追はるるごとくふるさとを出でしかなしみ消ゆる時なし|こころよく我にはたらく仕事あれそれを仕遂げて死なむと思ふ|やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに
- 51. ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな|手套を脱ぐ手ふと休む何やらむこころかすめし思ひ出のあり|何となく今年はよい事あるごとし元日の朝晴れて風無し
- 52. 秋近し!電燈の球のぬくもりのさはれば指の皮膚に親しき|晴れし空仰げばいつも口笛を吹きたくなりて吹きてあそびき|汽車の窓はるかに北にふるさとの山見え来れば襟を正すも
- 53. アカシヤの街にポプラに秋の風吹くがかなしと日記に残れり|しらしらと氷かがやき千鳥なく釧路の海の冬の月かな|秋さびしもののともしさひと本の野稗の垂穂瓶にさしたり
- 54. 篠懸樹かげを行く女が眼蓋に血しほいろさし夏さりにけり|岩かげの光る潮より風は吹き幽かに聞けば新妻のこゑ|夕べ食すほうれん草は茎立てり淋しさを遠くつげてやらまし
この商品の紹介
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